生ゴミ乾燥装置 兼 ドライフード製造機

   
だいこんの はっぱを 太陽で かわかした

おちゃづけに まぜたら 太陽の あじがした
      

 


生ゴミ乾燥装置(日本版)


干物製造装置(ナイジェリア・モデル

 太陽熱を利用して生ゴミを乾燥するための装置を作ってみました。モンゴルやナイジェリア用に作られた殺菌装置と同様の2次元パラボラ型の反射面で陽光を中心の軸上に集光します。軸上には2重の透明円筒で覆われた金属円筒が設置されています。箱の全面を覆った透明板と2重の透明円筒は、太陽光は通すが赤外線は通りにくい材料で作られています。金属円筒の外側は、太陽光は吸収するが赤外線は輻射しない材料で作られています(選択吸収膜と呼ばれます)。金属円筒の内側表面は赤外線を輻射しやすいように作られています。生ゴミを収納する籠が金属円筒の中に出し入れしやすいような形でセットされます。この装置を太陽に直面するように設置すると、反射板で反射された陽光が透明円筒を通して金属円筒に吸収され、中に収められた生ゴミは短時間で100℃以上になります。

 生ゴミの6070%は水分ですから、100℃以上に熱すると水蒸気が出てきます。この水蒸気を中に閉じ込めると、生ゴミは煮えてしまいます。そのために水蒸気を外に逃がしてやる必要があります。ところが、水蒸気を逃がそうとすると大量のエネルギーが一緒に逃げてしまい乾燥がうまく行かないというジレンマが生じます。金属円筒内の空気の温度を生ゴミに伝える方式では、このジレンマを解決することはできず、結局は金属円筒内側表面からの輻射で生ゴミにエネルギーを伝えるという方式にたどり着いて、このジレンマは解決されました。

 これでほとんどの種類の生ゴミを乾燥できるようになりました。所要時間は約1時間。葉菜類はパリパリの紙状に、バナナやりんごの食べかすもドライフードに変ります。カボチャや人参や竹の子は丸ごとでは無理ですが、厚さ5ミリ以下であればドライフードになります。魚も短時間に干物に変わります。

    
日本人の食べ残しは、2億人の子供の食料に匹敵!
       

生ゴミをドライフードにしてどうするのか?汚いではないか?と言われそうですね。確かに他人の食べ残しは精神的には汚いかもしれませんが、100℃を越していますので、100%殺菌できていますから物理的には衛生的です。精神的な抵抗感を払拭していただく必要がありますが、焼き飯を作るときに混ぜていただくとか、ドライフルーツにして食べるとか、水分は抜けているので燃えるゴミに出していただく(水分が抜けていれば立派な燃料です)、暇なときにまとめて肥料化する(乾燥していても肥料にはなります)など、いいことがたくさんあります。

環境問題といえば生ゴミとリサイクルが最も関心を集めるテーマです。しかし、この生ゴミとリサイクル、両方ともに、捨てすぎるから生じる問題とも言えそうです。例えば生ゴミ――日本人が食べ残して捨てる食料は、カロリーベースでは2億人の子供が飢えないで済むだけの量に相当するのだそうです。苦労して作った有用資源ですから、食べ残したからと言って「生ゴミ」と邪魔もの扱いしては気の毒です。愉しくできる範囲で工夫してあげたいものです。


                 
HOME        非電化製品カタログTOPに戻る  

Copyright 2003−2004 Hidenka Kobo Inc. All rights reserved.