白い ロウソクは 願いを  こめて  灯す
赤い ロウソクは 願いが 叶ったら 灯す

   
ロウソク
    

   

      

美しいロウソクは夫婦の絆も保つ!
ファラデー「ロウソクの科学」
オール植物性の和ろうそくの魅力

心を和ませるロウソクの活用法
変り種のロウソク・蜜ロウ

簡単にロウソクを作る方法           
      

美しいロウソクは夫婦の絆も保つ!

 スエーデンの知人宅に泊めていただいたことがあります。居間のあちこちに色とりどりのロウソクが所狭しと置かれてありました。「節電のためですか?」と尋ねると、
「夜になると、子供たちは地下室に移動して夫婦だけになるから、電灯をロウソクに切り替えて語り合うのさ」という返事でした。この返答には面くらいました。30年近く前の話ですが、その知人は45歳くらいのご夫婦だったので、子供がいる45歳の夫婦はそんなにロマンチックではないはずと思い込んでいたのです。いま思えば水力発電の条件に恵まれているスエーデンでは電気代はほとんどタダなのに、お金をかけてでもロウソクに切り替えることで、夫婦の心豊かな関係を保とうという工夫だったのでしょう。

   
ファラデー「ロウソクの科学」
    

 モーターを発明したことで有名な天才科学者マイケル・ファラデーの『ロウソクの科学』(三石厳訳、角川文庫)は、少年少女を愛する彼が、慈父の愛をもって語った1860年の講演記録です。 ファラデーは、たった一本のロウソクをめぐり、その種類、製法、燃焼、生成物質を語ることによって、化学と自然との深い交りを伝えようとします。ロウソクの原理を伝えようとしている箇所はこう書かれています。

 「ロウソクを観察して最初にわかることは、てっぺんにみごとなカップができていることでしょう。ロウソクの所へきた空気は、燃焼の熱がおこした気流に運ばれて、上のほうへ動いていき、ワックスや牛脂、つまり燃料の側面をひやして、へりの部分を中心部よりも低温に保たせます。(中略)そういう理由によって、ロウソクの頭のカップは、全側面をたちのぼってロウソクの外壁をひやしている、みごとに規則正しい上昇気流のおかげで形づくられているのであります。このカップをつくる性質をもたない燃料は、ロウソクの原料の資格がありません。(中略)不規則なぎざぎざのある美しいロウソクが燃えるときには、まずいことがおきまして、ロウソク特有の、たぐいまれな美しさをたたえているあのみごとなカップができそこなうわけがおわかりと思います」。
  この本は、私の愛読書の一つです。

   
オール植物性の和ろうそくの魅力
     

 

2002年4月から放送されたNHK連続テレビ小説「さくら」ではハワイ日系三世の主人公さくらが飛騨古川町(岐阜県吉城郡)の和ろうそく店に下宿します。この和ろうそく店のモデルは江戸時代中期から続く「生掛け和ろうそく」の老舗、三嶋屋和ろうそく店。全国で手作り製作している店は20軒ほどあるそうですが、巨大ろうそくを型も使わずにすべて手作りするのは、この店だけと聞いています。

 飛騨古川「三寺まいり」は毎年1月15日に三つのお寺をお参りする、二百年以上前から続く伝統行事ですが、各寺では三嶋屋特性の高さ80センチもある巨大和ろうそくを灯します。「さくら」でも、この巨大和ろうそくの奉納がドラマチックに描かれていました。

  「三寺まいり」は親鸞上人の遺徳を偲ぶ行事ですが、若い男女の「縁結びの行事」でもあり、参拝の男女は小さいろうそくを灯して祈ります。白いろうそくは願いをこめて、赤いろうそくは願いがかなったら灯すそうです。なかなかいい話だと思います。

左の写真は手作りの和ろうそくです。和ろうそくの原料となるロウは、会津の絵ろうそく(漆の実から取ったロウで作る)以外はすべて、ハゼの実から抽出します。灯芯もイグサの髄を和紙に巻きつけて作るから、和ろうそくはオール植物性です。重油が原料のパラフィンから作る洋ロウソクよりも和ろうそくの方が情緒があって、心も安らぎそうな気がしませんか?


手作りの和ロウソク
(所蔵&撮影 by Fujimura)

心を和ませるロウソクの活用法
          

 実際、省エネ目的ではなく、ただの雰囲気づくりとして、わが家では風呂に入る時に電気を消してロウソクを灯していますが、これが好評です。背がもたれるのと反対側の湯船の淵に、太めのロウソクを立てると、実際の炎も揺らぐのですが、水面に映る炎がもっと揺らいで、なかなかいい感じです。しかも、こういう位置関係だと、湯煙が立ち昇るのも見えて、山奥の露天風呂気分にも浸れます。
 
 日本人にとって風呂とは、アメリカ人のシャワーとは違って、身体と心の癒しの時間です。日常のストレスから開放されたいのだから、風呂はなるべく非日常的で非刺激的な方が効果があります。目から来る刺激は一番強烈だから、日常を連想させるような「目からの刺激」は無いほうがいいのですが、明るすぎる照明が風呂場にも及んできているのが現状です。だから見えすぎていたものが見えなくなって、見えなかったもの(湯煙とか、昔のことなど)が見えてくるロウソクは心を和ませてくれるのです。

変り種のロウソク     


蜜ロウのソウソク(大野養蜂園製)
(所蔵&撮影 by Fujimura)

     

      
 ちょっと変わり種のロウソクも一つ紹介しておきましょう。右の写真は蜜ロウで作られたろうそくです。蜜蜂が体内で作る蜜ロウから作られた純動物性ロウソクで、気のせいか、甘い香りが立ち込めます。

 この蜜ロウは、木の床や柱、家具などの表面仕上げに使うと素敵な雰囲気を出せて、しかも無害だから、とくにドイツでは抜群の人気を誇っていますが、ロウソクとしても使えます。外国では、パラフィン製の前は蜜ロウが主流でした。

 下の写真左はオーストラリアで入手した蚊よけのロウソク。シトラスが混入されているために、蚊が嫌がります。写真中はココナッツのオイルと殻で作ったロウソクです。ブラジルで入手したものです。写真右はガラスコップの水に浮かぶロウソク。
小樽のガラス工房で作られたものです。


オーストラリア製の蚊よけのロウソク
(所蔵&撮影 by Fujimura)

ブラジル製のココナッツも殻に入ったロウソク
(所蔵&撮影 by Fujimura)

日本製の水に浮かぶロウソク
(所蔵&撮影 by Fujimura)

 

通販で購入できる和ろうそく
   ろうそく屋 浅次郎(石川県七尾市、高澤ろうそく店) 
   松本商店(兵庫県西宮市)
   小大黒屋(福井市) 
   大與(滋賀県高島市)
   小池ろうそく店(新潟市) 
   ゆっくり堂(東京。ナマケモノ倶楽部が運営する会社)

■通販で購入できる蜜ロウソク
   大野養蜂園(栃木県那須塩原市)
   升田養蜂場(広島県三次市)  蜜ろうそくキット販売
   大月養蜂場(岡山県総社市)
   ゆっくり堂(東京。ナマケモノ倶楽部が運営する会社)

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