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モンゴル実地テスト印象ノート |
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こうして初の海外渡航がモンゴルでしかも非電化冷蔵庫の設置テストというスペシャルなものになりました。 早速、モンゴルで感じたことを書きます。最も印象的だったことが三つあります。一つはウランバートルの都市化と大気、二つ目は遊牧民の生活、三つ目はまばらに存在するモンゴルの林です。 その反面、遊牧民の暮らしはギリギリのところで環境と平衡状態でやっていました。木を伐りすぎたらよくないということを実感として持っていて、自分の生活が生活環境にどういう影響を与えるかが見えている。そこが都市の人々との大きな違いだと思います。とはいえ、新しく入ってきたプラスチック、ビニール製品については歴史が浅いためか散在させてしまって道路沿いには打ち捨てられていました。従来使ってきた自然素材の物は広い草原であれば朽ち果ててなくなるのでよかったので、同じようにしているだけだと思います。 先ほど、うっかり遊牧民と一くくりにしてしまいました。日本人と同じで、遊牧民といってもその生活は様々でした、やはり行く前のイメージというのは画一的です。一つの家族で遊牧して太陽光パネルとテレビ(+パラボラアンテナ)電気照明と車、子供用自転車(補助輪付)、羊の小屋を持っているところもあれば、二、三家族共同で遊牧し、照明はロウソクという家族もあります。また、なにより私たちが訪問したのはウランバートルから比較的近い家族でした、離れたところではもっと違う生活状況かもしれません。 「アフターサービスはあるのか。」冷蔵庫について意外な質問を度々受けました。意外な、と思ったのは僕の用意がなかっただけなのです。考えてみればモンゴル向けに手軽に買えるものを目指すとはいえ遊牧民にとっては現金を手に入れるのも一仕事です、壊れて終わりでは困るのは当然です(非電化冷蔵庫は故障しませんが)。羊をお金と交換しに行くのでも何時間、何日かかけてウランバートルに行かねばならないこともあります。現金の意味が日本とまるで違います。 入手しやすい日本のほうが便利と言えますが、逆にお金がなければ日本では何もできないと感じている人は多いでしょう、移動すらできません(本当は時間をかければ歩いていけます)。モンゴルではお金は自分たちで作れないものを手に入れるために使うという存在なのではないかと思いました。 そのせいか、太陽光調理器でミルクを低温殺菌してウランバートルに売りに行くという提案には興味がなさそうでしたし、非電化冷蔵庫も夏に自分たちが食べる羊の肉が腐らないように使いたいと言っていました。そもそも、ミルクは自分たちで飲んでしまい、余れば親戚にあげてしまうのが基本のようです。車を修理している風景も至るところで見ましたし(当然モンゴルにJAFはない)、自分でやれることはやるという姿勢で、実際かなりできます。僕は馬に乗せてもらいましたが、全く動いてくれませんでした。 非電化冷蔵庫の懸念として唯一あるとすれば、食べ物を冷蔵できるようになって親戚にあげる必要がなくなって親戚づきあいが薄れはしないかということです。そのあたりは様子を見ながらやるしかありません。アメリカは車社会になって、人々が郊外店でまとめ買いをするようになり、近所での買い物のなかでの他人との井戸端会議も減り家族内の人間関係が濃くなりすぎて離婚が増えたという「車普及→離婚増加説」を主張している論文もあるそうです。 モンゴルには草原だけで木が一本もない、そういうイメージがあるかもしれませんがゲルで薪を焚いていることからわかるように林は存在します。私たちが泊まっていたキャンプ周辺では遠い南のなだらかな山に少し見える程度でした。基本的に山も草原ですが一部に林はありました。何回もそんな孤立した林を見てはるか昔モンゴルは草原ではなく森林がそれなりにあったんじゃないかと思いました。 以下は僕の憶測です。例えば、モンゴルの遺跡は草原のどまんなかにぽつんと石の棺や石像が置いてあるのですが、それなりの建物がある街があるエリアに墓なり石造を残しそうなものです。建物が石造りなら現在も残ったはずで、残っていないということは木造で街(都)が移動するときに解体して再利用したか薪にしてしまったと考えられます。それなら森があったんじゃないでしょうか。元々降水量が少ない内陸なうえ、森がなくなると上空に雲が出来にくくなり降水量が落ちるのでますます木が育ちにくい環境になり草原になる。以上が僕の憶測です。 確固たる根拠はないですが、当たっていたら「環境と共生」していると思われる遊牧民の暮らしも森林を破壊した後の妥協点なのかもしれません。日本にいると勝手に雑草や木が生えてくるのが当たり前ですが、世界的に見れば非常に恵まれた自然条件だと実感しました。モンゴルの草原は車が走った後になかなか草がもどりません。一度壊すと元には戻りにくい、下手をすると砂漠化するかもしれません。キャンプのスタッフに方に聞いたら一年間に一戸のゲルで使う燃料の量は薪が10トンで石炭が5トンだそうで、森林面積も年々減少しているそうです。 長期的に見れば、森林の面積を保つことが一番の課題だと実感しました。それがモンゴル滞在の最後の夜でした。 石炭も限りがある、木も確保しにくい、かといって冬は寒いから暖房は必須。どうしたものかと思っていましたが、ちょうど非電化冷蔵庫テスト中から藤村さんはソーラーハウスの話をバギーさん(現地の企業家)としていました。来年はソーラーハウスを建てるというふうに話が進んでますます面白いことになってきたモンゴルプロジェクトでした。 最後に感想を、モンゴルは気候条件も厳しいし、製品の価格も限られています。一見、発明をするには難しい条件に見えますが、藤村さんの発想を聞いているとむしろモンゴルのような制限があるほうが面白いアイデアが出やすい、と感じました。ということは僕のようにお金がない人のほうがアイデアを出すのには恵まれているのかもしれません。 |
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