2000年9月16日 / 「発明・工夫のまちづくり/上越市の挑戦」
「発明・工夫のまちづくり」を本気で進めようとしている“珍しい”市が有ります――21世紀は「環境と創造の時代」と誰もがおっしゃいますが、「発明・工夫の
まちづくり」は(何故か)“珍しい”のです。 その、“珍しい”たった一つの市が上越市です。
上越市の市長(宮越馨さん)はユニークな方です。 自然と共生する都市環境づくりを計画的に進めようと、「のびやかJプラン」という30年計画を打ち出してしまいました。「30年も市長を続ける気か?‥‥‥」というイチャモンもついたようですが、臆せず突き進んで、市民の賛同を得ているようです。“30年”は、今日の日本では異例の長さですが、“自然と共生”が5年やそこらで出来るはずがありませんから、30年は見識です(アメリカインディアンが、7代先を考えてすべてを判断‥‥に較べると短か過ぎますが)。 計画倒れの○○県知事や××市長と違って、宮越さんは行動力も旺盛です。 ISO14001(環境マネージメントの規格)の認証を、日本の自治体としては初めて取得してしまったり、全国から公募した副市長(6人)に大幅な権限を委譲してしまったり、敷地面積300坪・家庭菜園つきの住宅「アーバンビレッジ」を販売したり‥‥‥宮越さんの快進撃は留まるところを知りません。
「環境」一辺倒の街づくりを果敢に進めてきた上越市の新たな取り組みが「発明・工夫のまちづくり」です。エネルギーも食料も輸入に依存する日本が、世界に貢献して、豊かに生き延びる道は、(これまでのマネづくりではなく)創造的モノづくり‥‥‥誰もがわかっていることなのに、子供も大人も理科嫌い・理科離れ――これでいいのか(ITに浮かれている場合か)?‥‥という悲憤慷慨からの発想のようです(エライ!)。 上越市を「緑の快適都市」に育て上げると共に、「発明・工夫のまち」に育て上げようという意欲的な試みです。 まさに「環境と創造の21世紀」
を地で行く“珍しい”取り組みです。
その「発明と工夫のまちづくり推進委員会」の第1回の会合が今週行われました。 私も委員の一人として出席しました。 2時間の会合に往復9時間は、ちょっと辛いのですが、意義に感じて(意気にも感じて)でかけました。 筑波大学で低温固体物理がご専門の吉崎亮造教授と私以外は、地元の方ばかりですが、「木と遊ぶ研究所」をやっていらっしゃる建築家の関由有子さん等、多士済々で面白い推進委員会になりそうです。
事務局(上越市まちづくり制作室)から出てきた素案は、「ハコモノ・イベント・補助金」の自治体型ワンパターン(全国どこに行ってもコレ)から抜け出していないようでしたので、「こりゃ平凡だ!」と噛み付いてしまいました(第1回目なので、もうちょっと品良くしとけばよかった!)が、小学生向けの工作教室、や高校生向けの、ひらめき発明教室、大人向けの起業家養成塾‥‥等、動機付けから起業後の支援まで、ナカナカよく考えられています。
「発明によるまちづくり」というのは、天才画家や天才音楽家を発掘して育てるに似て、千人の凡人よりも一人のエジソンを生み出すこと‥‥と、私は思うのですが、如何でしょう。 一人のエジソンを生み出すには千人の発明好きが(分母として)必要のようです。千人の発明好きを生み出し、そこから(未完の)エジソンを発掘して応援する‥‥‥一朝一夕でできることではありませんが、大切なことと思います。 上越市と宮越馨市長にエールを送ります!