2000年6月24日 / 「人を動かす魔法の話(続)」

 「疼けば人は動く」‥‥と、前回お話しました。今回はその続編「どうすれば疼くか?」です。

(相手の)頭脳が動くレベルを「理解」とか「納得」と(前回)表現しました。心が動くレベルの最高は「感動!」、身体まで動いてしまうレベルが「疼く!」で、★★★★★(5つ星)です。

「基本的には動く」世界――起業家には縁の無い世界――では、頭か、せいぜい心まで動けば、人は動くのですが、「トコトン動かない世界」――起業家に馴染みの世界――では、身体まで動いてしまう――モウ、ドウニモトマラナイ――の「疼く」しか無いですね。

 2つの要素がセットで必要のようです。一つは「共感」――平凡ですね。もう一つは「ビックリ!&ナットク!」――これも平凡ですね。 しかし、平凡な「共感」と、平凡な「ビックリ!&ナットク!」がセットになると、非凡の極みになって、人が動く‥‥‥面白いですね。

 一つ目の「共感」――以前(99113日)この欄で、共感のメカニズムを披露しました。「世界観」と「価値観」の両方が一致すれば、共感が生まれる‥‥‥というのが私の持論です。「世界観」は「時代認識」と言い替えた方が分かりやすいかもしれません。これから、5年後、10年後、自分たちを取り巻く世界はどうなるのか、どうあって欲しいのか‥‥という認識を具体的に一致させる――ビジネスの世界で、イチイチそんなことやっていられるか‥‥と言われそうですが、イチイチ(しかし苛立たせないで)やるのです。「価値観」は「幸福感」と言い替えたほうが分かりやすいでしょう。どういう結果になれば、相手も自分も幸せか‥‥‥という一致点を探すことです。

 「世界観」も「価値観」も、恰好つけた話で一致させても、自分を曲げて一致させても、何も生じませんが、本音の処で一致させられれば、必ず(ちょっと大袈裟かな)「共感」が生まれます。自分を曲げないで一致させるためには、「世界観」「価値観」を広く持っておく必要が有りそうです(狭いと反感ばかり!)。

 「ビックリ&ナットク」は分かりやすい話ですね。 低い立場の人の平凡な話を、高い立場の(と思っている)人が聞くと、ケチをつけたくなりますが、ビックリすると、ケチをつけるのを忘れてしまいます。ビックリさせっ放しでは怒り出すか、怪しむでしょうから、「ナルホド!」

と納得させる――すると、「君はエライ!」ということになる‥‥というわけです。

 「共感」+「ビックリ&ナットク」――平凡なことばかりですが、セットにすれば、人は「疼く」と思いませんか? エッ、「魔法でも何でもないじゃないか」って? だから、前回のこの欄で言ったでしょ、「人を動かす魔法があると思うのは誤解だ」って‥‥‥‥‥。