2000年3月4日 / 「ビールを造ってみませんか!」
ビールを飲みながら、この稿を起こし始めました。自家製のビールです。花粉症の話を書き始めたのですが、このビールが、あまりに美味しいので、ビールの話を書くことにしました。
いま飲んでいるビールは、たまらなく美味しいのですが、いつも美味しいというわけには行きません。自分の好みに合わせて材料の麦芽やホップまで選んで造るのですから、(自分にとっては)“いつも”美味しくてもよさそうなのですが、不味いのを“我慢”して飲んでいる時の方が多い‥‥というのが正直な話です。何故“いつも”ではないかと言いますと、手造りですから、酵母が生きています(酵母を濾過してしまった缶入りの「生ビール」ではなく、本当の“生ビール”です)。 中瓶で50本くらいを一度に造るのですが、瓶詰めした後で、酵母が糖をアルコールと炭酸ガスに分解し続けますから、日が経つにつれて“ドライ”になっていきます。ですから、“飲み頃”の時期が(1週間ほど)あるのですが、1週間に50本も飲めませんから、他の何週間かは、不味いのを“我慢”して飲むということになります。
飲み頃の状態になったら、加熱して酵母を殺す(つまり“ラガービール”にしてしまう)か、冷蔵して発酵を抑えれば、“いつも”になるのですが、“こだわり派”で“環境派”の私としては加熱も冷蔵も納得できない話です。家の外で、温度が高すぎず低すぎずの場所に保存しておいて‥‥ということになりますから、“我慢”の時期が長くなります。その上、季節や天候によって影響を受けますから、
夏と冬では酵母の種類を使い分ける‥‥‥といったような、厄介なことをする羽目になり、これがよく失敗するので、余計に“我慢”の時期が長くなります。ですから、美味しい時には、実に美味しいのです(過剰なこだわりで滑稽、と笑われそうです)。
過剰にこだわることを止めれば、“いつも”美味しいビールを、いとも簡単に造ることができます。
ご存知の方も多いでしょうが、麦芽とホップが缶詰になったものを買ってきて、砂糖と市販の酵母(イースト菌)を混ぜて一次発酵(1週間位)。瓶詰めして2次発酵(1ヶ月くらい)。飲み頃になったら発酵を抑えてしまう‥‥‥。中瓶50本を造るのに要する時間は全部で12時間。材料費は2,500円くらい。時間当たりの労務費を5千円とすると、原価は1本1,250円。市販のビ―ル(250円)の5倍。どうせ暇な時に造るのだから‥‥ということで12時間の労務費を只と考えると、原価は50円。市販のビールの5分の1。 ですから、お勧めしたいのは、12時間(慣れるともっと短くできますが)の労務費を只と考えられる“ゆとり派”の方にです。 美味しくて、安全な(市販のビールがすべて危険とは申しませんが)ビールを、市価の5分の1で実現できるわけですから、12時間を“楽しめれば”、結構づくめのような気がしますが如何でしょうか?
自宅で缶ビールを飲みながら、「この缶ビール1本が造られて飲まれるまでに(エネルギー消費に伴って)発生した炭酸ガスと、我が家の庭木(40本くらい)が一日に酸素に変える炭酸ガスは、どっちが多いのかな?」と考えて計算してみたのが、私が自分でビールを造り始めたきっかけです。私の計算では、缶ビール(レギュラー缶)1本が消費するエネルギーは、丁度、缶ビール1本分のガソリンに相当します(アルミの精錬までに半分、その他諸々に半分)。これに伴って発生する炭酸ガスは
庭木40本の1日分をちょっと上回るのです。途端に、ビールが不味くなってしまいました。手造りビールは、瓶も完全リサイクル(リサイクルにエネルギーを消費しない)ですから、エネルギー消費量は缶ビールの20分の1――庭木2本分くらい。お父さんが貢献できる環境保全活動の一つかもしれません(実は、これが言いたかった!)。
問題は、12時間を“楽しめる”かどうかです。どうやら、多くのお父さんには、楽しくなさそう。そこでビール好きの発明家に提案。ご自分でビールを造ってみて、“楽しめる”発明をしてみては如何でしょうか?