「事業になる発明セミナー」

         講師:株式会社発明工房 代表 藤村 靖之氏

 
   今回のセミナーの講師を務めていただいた藤村靖之氏は、「事業による発明セミナー」の他にも、「発明起業塾」の塾長としても全国で活動されております。
 「事業になる発明」とは一体何か?事業性豊かな発明をどうやって生み出すのか?といったお話を、具体例を交えての講義でした。

 発明起業塾では、今までに60人の塾生が卒業して行きました。そして、今までに28の商品を発明してきました。今回はその中のいくつかを取り上げ、「事業になる発明」とは何か?を模索していきたいと思います。
特許を取得してから事業をはじめる!          発明商品例 その1 「花粉除去装置」
発明商品例 その2 「一生使える乾電池」      発明商品例 その3 「浄水器」
発明商品例 その4 「コーヒー焙煎機」        発明起業塾の趣旨
発明起業塾では一体どのようなことをするのか?   講師プロフィール

特許を取得してから事業をはじめる!


●過去の日本における特許取得状況

    1980年代、日本における特許取得状況は最悪なものでした。まず、公開してから取得にいたるまでに6〜7年間も必要とし、それに加え特許を取得した商品に発明家の権限があまりありませんでした。そうした中で、発明家は特許を取得しても他の企業に特許を害され、民事訴訟に明け暮れるといった状況がしばしば見られました。また、特許取得1件にあたり100万円といった莫大な資金を必要とし、資金の無い発明家にとって特許取得は困難なものでした。

    日本の特許取得は、世界一遅く、世界一高く、世界一特許の弱い国だったのです。

●現在の日本における特許取得状況
    1994年には、特許取得の所要期間が5年程に縮まりはしたものの、世界各国からみた特許取得状況(例:フランス 6ヶ月、アメリカ 一年、中国 一年2ヶ月、台湾 一年、韓国 一年、ドイツ 一年5ヶ月)からみて日本はまだまだ
特許取得が遅い国でした。
    しかし1998年以降の今日現在では、世界一特許取得が早い国になっています。私が特許出願した商品は、なんと3ヶ月で特許を取得しました。これは、世界新記録です。世界一特許取得が遅かった国が、世界一早い国になってしまったのです。

ポイント!!
  昔のように6〜7年も特許取得にかかるのであれば、事業を始めてから特許を取得する必要がありました。しかし現在は特許がたった3ヶ月で取れてしまう時代です。ですから、特許を取得してから事業をはじめる。特許を取得していないようなら事業をはじめないということが必要です。

 

発明商品例 その1 「花粉除去装置」

 
   鼻や口や目から入ってくる花粉を防ぐイオンコントロール装置を作る!→この段階ではただのアイデアでしかない
                                           
 
この装置を首から下げるための紐のを作る! (首にかけたときに肌触りがよく、電気を程々通すが程々通さない。→こういった紐の構図を作る!               →発明 特許取得済み

 この商品を200人に試したところ、約70%の人がアレルギー花粉症の症状が和らいだと答えました。しかし商品を発明し、商品の評判は上々ですがこの商品は事業化しません。なぜなら、この商品は発明した時にマーケティングのアイデアを考えていないからです。

ポイント!!
  商品の発明にはまず、「アイデアありき!!」 といった考えはあまりよくありません。まず、「どうやって売るか?」といったマーケティングのアイデアと発明はセットにして考えなければなりません。ましてまだ特許を取得していないような商品は、事業を先に進ませてはいけません。

商品の発明          ⇒セットに考える
マーケティングのアイデア

 

発明商品例 その2 「一生使える乾電池」

 
  現在の乾電池は一本20円ほどの安価で売られているため、リサイクルすることが非常に困難です。 そこで、地球に捨てることはない 「一生使える乾電池」を作ればいいのではないかと思いました。

 乾電池の中に玉をいれ、「カチャカチャッ」と振ることにより圧力を加え、電気に変える →この段階ではただのアイデアでしかない
 最初のうちは5%しか圧力を電気に変えることしかできなかったものを改良し、30%の電気を蓄えられるようにした →発明 特許取得済み

  この乾電池は300回程振るだけで元の電力が戻ります。この電池があれば、いざ大事な時に電池がなくなっても何回か振るだけで使えます。しかし、この商品もやはり事業化はしません。こういった商品は、大量に生産し安く売らなければ事業にならないからです。

ポイント!!
   新しいものを世の中に広めるためには、何らかのエネルギーが必要です。それは売る人が大儲けするといったエネルギーや、発明した人が神話になりその神話がエネルギーになるといったことです。しかしこの商品に何らかのエネルギーを生じさせるのは困難だと判断したからです。

発明商品例 その3 「浄水器」


 この商品は実際に事業化し、今までに20数万台売っています。この浄水器は他社の製品とは違い、カートリッジの交換が10年間必要ありません。

 しかし、この浄水器も他社の製品と変わらない点がありました。それは、「外からは中が見えない。」という点です。21世紀は、メーカーの宣伝することを消費者が鵜呑みにするのではなく、消費者自身が 「自分の安全は自分で守る。」商品にしなければいけないのではないか?

 そこで、外から浄水器の中が100%見える浄水器 「セルフガード」(特許取得済み)を作りました。
     「セルフガード」の浄水率
           95% →これは日本一ではありません。
                         ↓
           消費者がもう一度浄水器にかける → 99.75% 
                                  これで文句ナシの日本一です。
                         ↓まだこだわりたい人は・・・
           もう一度浄水器にかける       → 99.99% 
                                   これで世界一の浄水率です。  

 現在通常の浄水器を使用している人の中で、カートリッジを交換している人は3,5%でしかありません。

ポイント!!
    これからは消費者が商品の性能を自分で選び、守るということが必要です。またそれに加え、発明された商品にはデザインの良さが絶対的に必要です。消費者が直感的に 「欲しい!!」と思うようなおしゃれの極みでなければいけません。

 

発明商品例 その4 「コーヒー焙煎機」


  この商品も4月1日から100台限定で発売します。まずは100台のみ販売する予定です。

  コーヒーの生豆はアルカリ性の商品です。しかし一度煎ってしまうと時間が経てば酸性化し、味も悪く、体にも良くありません。そこで、健康に良いもの。自分で直接煎って、煎りたて、挽きたて、入れたてのコーヒーを飲んでみるのはどうか。健康に良い、美味の極みを味わえる、値段が安い、安全、安心なコーヒーを実現する!  →アイデア 

 焙煎機を金属製にすると熱伝導率が高すぎて、豆が焦げておいしくない・・・
 焙煎機をセラミック製にすると熱伝導率が低すぎて煎るのに20分もかかってしまう・・・
                      ↓
            金属の熱の伝導を上手に設計する!! → 発明 特許取得済み

 誰がやってもおいしくできる。また、その人の気分や好みに合わせた煎り具合が選択できる。

 ●コストの削減
   (1)直接、消費者と生産者をつなげてしまう
        代理店を中間にはさむと価格が高くなってしまいます。ですから中間にあるも
        のを飛ばしてしまいました。
   (2)消費者に生豆を10kg単位で購入してもらう
        生豆はすでに煎ってあるコーヒー豆とは違い安い商品です。また、
        生豆である限りアルカリ性のままの状態を保つことができます。こ
        の生豆はブラジルやエクアドルから輸入した 「無農薬・有機栽培」
        で作られたものです。普通、「無農薬・有機栽培」商品は高いので
        すが、こういった経緯を踏むことにより、生産者のコストは2倍にな
        りますが、消費者の価格は3分の1で済みます。

 この商品を、コーヒーはできれば健康のためにも、地球のためにも「無農薬・有機栽培」がいいと思っている人に直接届けるわけです。
 現在環境NPOには、「子供の地球環境の安全を守ろう!」っといったネットワークが存在し、約160万人もの人がいます。   →マーケティングのアイデア

ポイント!!
    社会性のある事業には、「共感」が生まれます。そしてその「共感」がエネルギーを生むのです。 この商品には、社会性があって、事業性があって、マーケティングのアイデアがあります。
    100台中、95人が感動するくらい、改良に改良を重ね、商品化してからが勝負です。まず、100台売っても利益にはなりません。しかし、
100台中、95人が感動するくらいの商品の売上が1000台に達したら、後は時間の問題で軽く1万台は達成します。実は、その商品の分かれ目は1000台をどういった状態で売ったかによります。

    <1000台を赤字が生じることなく完売した>
       これは発明とマーケティングをセットで考えていたからです。
商品を発明し、作ってから売り方を考えていたのでは商品は売れません。商品を発明した時点で、マーケティングのアイデアを考えておかなければならないのです。
      「新しいものを、新しい人が、新しい人に売る」ということは簡単なことではありません。そこで、1000台作っても赤字の生じない商品を作らなければなりません。

 

発明起業塾の趣旨

 
  発明起業塾では、ほとんどの時間をマーケティングのアイデア作りに費やします。現在、大抵の発明家は商品を作ってからどう売るかを決めています。先程も言ったとおり、それでは商品は売れません。
 そこで、お金の無い起業家の新しいマーケティングの作り方。「新しいものを、新しい人が、新しい人に売る」ということを習得していかなげればなりません。

  まず起業家は、「100個生産すれば、100個完全に売る。」といった、売上100%を目指さなければなりません。それには、消費者が消費者に宣伝をしてくれる。お客がお客を呼んでくれるような商品の発明・マーケティング戦略が必要です。現在、起業家の最初の一年間の新商品の売上は21%に過ぎません。これが、今の起業家の実体なのです。売上100%を目指すことは、当たり前のことかも知れませんが、実はとても重要なことなのです。

  では、どうしたらお客がお客を呼んでくれるようなマーケティングができるのか?ここからが発明なのです。考えられる手段としては、広告宣伝や有料販売所を設ける、展示会を開くといったことがあげられますが、資金のない発明家にとってこれは困難なことです。では、どうするかというと「中途半端な営業」を行ってしまうのです。

  今までの時代だと、中間代理店を通し商品を何が何でも売ろうとしてきました。しかし、こんなことはもう必要ありません。「インターネットの時代」がきたからです。かつては、自分の欲望がお客を支配する時代。権力やお金をもって客を支配する時代でした。しかし、こういった考え方はもう破綻してきています。今は、共感がエネルギーを生む時代になってきているのです。そして、資金のない起業家ほど共感が得やすい時代になっているのです。

  今は「インターネットの時代」ですから、できればオフィスも無い、社員もいない(社員でなくてもアルバイトでいい)、設備もない(設備を持った会社にアウトソーシングしてもらう)といった固定費が限りなく0に近いといった夢のようなことが実現できるのです。

  発明起業塾の中心的なものの考え方は、「発明とマーケティングをセットで考える」といことです。100個を売った時点では損をしているけれど、1000個を完売した時点では赤字を生じていないような商品の発明をしなければなりません。そのためにも発明起業塾では、商品コンセプトを考えてから発明をしています。現在の発明家の99%は、発明をしてから商品コンセプトを考ています。これでは、先行きがなかなか困難なものになってしまいます。商品コンセプトが明快に定まっていれば、発明することはそんなに難しいことではありません。しかし、このコンセプトが揺れてしまいますと発明は難しくなります。

発明起業塾では一体どのようなことをするのか?


●未来を見越した事業テーマを描く

    これから5年後は一体どうなっているのか?そうした未来の社会情勢を考える力を養います。そしてとにかく具体的な事業テーマのイメージを強く描いていきます。

●発想の転換
    まともな発想をしていては、そういった商品しか生まれてきません。ですから、「これは無理だろう。」というようなアイデアをどうにかできないかとみんなで考えます。

●お金のかからない事業化を目指す
    大体の商品は、発明とマーケティングがセットになっていないため、投資家が資金を出してくれず資金に困るといったケースが多々あります。しかし、発明とマーケティングがセットになっていれば、資金の調達はそう難しくはありません。ですから、資金があってもいいし、なくてもいいといった事業提案が必要です。そのため、資金の無い発明家のためのマーケティングを勉強します。そうして発明したものは、特許で守ります。こうした特許の利用の仕方も勉強します。
                            ↓
                  塾生全員で事業になる発明を考えていく

 発明起業塾とは、
    現実にトレーニングし、現実に事業性豊かな発明を生み出す場です。

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