しんせんな オレンジを ふたつに きる
ゆっくり しぼって いっきに のむ
からだの さいぼうが よみがえる

   
非電化ジューサー
    


DULTON製のジューサー(撮影・所蔵 by 藤村)

アメリカ製のジューサー(撮影・所蔵 by 藤村)

  私たちがジュースという“高級な飲み物”の存在を知ったのは小学校の高学年になってから(1955年ごろ)のことです。やがて粉末ジュースが登場。いまから考えると、かなりいかがわしいシロモノでしたが、感激して飲み干しました。1965年ごろになると果物も豊富に入手できるようになります。そこで電動ミキサーの登場。電動ミキサーは爆発的にヒットして、1975年ごろには家庭の必需品とまで言われるようになります。果物と牛乳と砂糖と氷を一緒にしてミキサーにかけると、(今で言う)シェイクができて感激しました。1980年ごろには、野菜ジュースも上手にできる電動ジューサーが発売されて、またまた大ヒットします。ジューサーとミキサーの黄金時代は1980年代初頭。1985年ごろになると、コンビニエンス・ストアーや自動販売機が猛烈な勢いで普及してゆきます。濃縮還元ジュースの普及は、ジュースの低価格化を促します。ジュースは買って飲むのが普通になり、自分で作って飲む家庭は少数派となります。かくして、「買ったけど使わない商品ランキング(一時流行った)」のトップをミキサーが飾る年が数年続きます。

  電動のジューサーやミキサーは、果物の繊維を切り刻んで混ぜこぜにしてしまいます。楽なのですが、味に少し難点があります。一方、昔ながらの機械式ジューサーは、果物を人力で押し潰して果汁だけを搾り出しますから、面倒だけど味がいい。だれでも知っていることです。頻繁にジュースを作る時には、少しだけなら味が落ちても楽なほうがいい――電動ミキサーが流行した理由です。時代が変わって、「たまには絞りたてのフレッシュジュース」という場合は、少々面倒でも味が良い方がいい――機械式ジューサーがいま復活しています。

  上の写真左はダルトン製の機械式ジューサー。我が家の愛用品です。10年以上使っていますが、壊れません。新鮮なオレンジを買ってきて、真っ二つに割ってギュッと搾り出す。絞り立てを(酸化しないうちに)すかさず飲む‥‥こたえられない旨さです。機械式は体重を掛けて絞りますので、絞るのは体重80kgの私の役割に必然的になるところが難点(?)です。でも、家事に役割が生まれるのは、機械式の好いところなのかもしれません。便利な電気式は、だれでもできるから、だれもやらなくなって、結局主婦だけに仕事が偏ってしまう。主婦だって面白くないから、結局外食やインスタント食品に偏ってしまい・・・電気式ミキサーは使われなくなる・・・愉快な話です。

    

    
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