プランクの法則

 太陽熱利用では、太陽光を効率良く吸収して熱に変換することが重要です。例えば、黒色に塗った吸収材料(全ての波長の光に対し高い吸収率を持つ)を用いるとほぼ完全に太陽光を吸収し熱に変換できます。しかし、吸収材料が高温になってくると、材料自体が熱放射の形で外部に熱を放出するようになります。一般に、不透明な材料の場合は吸収率と放射率は等しくなりますから(キルヒホッフの法則)、高い吸収率はそのまま高い放射率となって、せっかく得た熱をどんどん外部に放射して捨ててしまうことになり、効率が悪くなってしまいます。これを解決するために用いられるのが選択吸収材料です。

 全ての物体は有限の温度を持ち、その温度に応じて自ら電磁波を放射します。これを熱放射と呼び、熱放射の強度と波長分布は物体の温度の関数となります。熱放射を記述する基礎となるのがプランク(Planck)の法則です。プランクの法則から導かれる物体の放射エネルギーの波長分布を図1に示します。横軸は対数でプロットしています。

 

ウィーンの変位則

 物体が出す放射エネルギーの最大強度の波長は、その物体の表面温度に反比例します。つまり、温度が高い物体ほど、波長の短い電磁波で多くのエネルギーを出します。式で書くと、最大強度の波長λmax(μm)、表面温度T(K)とすると、λmax・T=2900(2897.8)となります。
例えば27℃(300K)の場合はλmax=約10ミクロンとなり、赤外線の中でも遠赤外線領域に属します。

 

赤外線

 赤外線は赤色の光よりも波長が長く、エネルギーの低い電磁波です。波長は約0.8ミクロン(1ミクロン=1000分の1ミリ)〜0.1ミリ程度までです(厳密な物理の定義ではありません)。 電気通信では波長0.1ミリ以下の電磁波は赤外線として扱われますが、天文学ではこの波長域まで含めてサブミリ波(電波)と呼ぶこともあります。 赤外線よりも短い波長帯域(0.35〜0.8ミクロン程度)に可視光線域があります。

 赤外線は目には見えません。  赤外線は温度の高い物体から出て、熱作用が強いという性質があります。
遠赤外線というのは、赤外線の中でも長波長の部分の俗称で、3〜100ミクロン、8〜50ミクロンなど、諸説があります。

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